TECHNOLOGY

SOFTWARE

border2021 MR System Configuration (Visual Part Only)

HMDにVarjo XR-1を採用。Varjo XR-1を利用したMRシステムの構築にあたっては、Native SDK, Unity XR SDK, Unreal SDKといった選択肢があったが、border2021においては、Varjo Native SDKを使用してopenFrameworksのアドオンを作成し開発を行った。2015年のborderで開発したビジュアルアセットの効率的な移植と、HMDカメラ関連の特殊なタスクの処理が目的である。

特殊タスクとは、
・HMDのカメラのテクスチャを変形させる。
・本番前半のHMDカメラの映像と姿勢情報をメモリ上に記録し、終盤で逆再生する。
といったVarjo Unity XR SDK / Unreal SDKでは実現できない内容のことである。

また、HMDの姿勢をVICONシステムの座標系で処理するために、Varjo Tracking Plugin SDKを使用して、独自のプラグインを開発。VICON Trackerとのインテグレーションを行った。また独自の座標系のキャリブレーションソフトウェアも開発し、リアルのオブジェクトとCGのオブジェクトの合成がぴったり重なるするようにした。

WiFi APは2つ設置し冗長性を確保。また、データと配信映像送信でAPを分けることで姿勢情報伝送のレイテンシを最小限に抑えている。各マシンの監視用映像、配信用映像はOBSを使用して送出している。

各アプリケーションの動作ステータスやPCのハードウェアステータスを効率的にモニタリングできるシステムを開発し、問題が発生した際の迅速な復旧が可能となった。

border2021 HMD Monitoring App Screen

HARDWARE

Photo: Muryo Homma(Rhizomatiks)

—WHILL

パーソナルモビリティ「WHILL」の研究開発モデル「WHILL Model CR」を採用。

Model CRのシリアルポートにWHILLの制御コマンドを無線送信することで動作をリモートコントロールしている。1台のXbee送信機が2台のWHILLを制御できるようにするために、受信側の無線デバイスを独自開発し、IDを付与してコマンドを制御コマンドを送信できるようにした。

背面にはノートPCを搭載、また、足元のバッテリーでノートPCとVarjo XR-1を駆動している。搭載機器の総消費電力は約300W。バッテリー容量は1200whであるため、3回目のパフォーマンス終了時にバッテリーを交換している。
WHILLをポジショントラッキングをするため、背面にポールを立てその先に反射マーカーを設置している。ポールはXbee通信のアンテナ、ヘッドフォンラックを兼ねている。

—HMD

ステレオカメラを搭載した、Varjo XR-1を採用。外部トラッキングのためのマーカー治具を独自設計した。

—Omni White Box

4輪オムニホイール駆動の白いボックス。2.4GHz Xbeeにより無線制御されている。

ONLINE

—リアルタイムマルチアングル配信

会場内の様子を複数の視点で配信し、自由に視点を選択しながら視聴可能にするため、Gnzoのマルチアングル配信システムを使用した。高い位置から会場全体を俯瞰したアングル、実際にオペレーションをおこなう制御画面、実際のヘッドマウントディスプレイの映像など6種類のアングルを鑑賞者はリアルタイムに選択しオンライン上で体験することができた。

—オリジナル課金システム

様々な決済サービスと連動できるように開発した課金システム(当プロジェクトはAmazon Payを採用)、及び、不正なアクセスが行えないように視聴中のIDを監視する独自のオンライン視聴ページを作成した。